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zoom RSS ハーモニー/脳はなぜ「心」を作ったのか

<<   作成日時 : 2010/03/16 02:25   >>

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この小説は、1月ぐらいに読みました。
私は、こういう、きちんと主義主張を持った人同士が対立したり仲良くしたりする話がかなり好きなので、そういう意味でもかなり好みな小説です。(それが特に女性同士だといいな、と思います。これは完全に趣味ですが)。ラスト近くの対峙の場面なんか本当にいい感じで……。
また、できるだけ人を傷つけない、という社会が描かれていて、それが不満だ、という人が出てくるので、それも斬新だと思います。
通常、どんな小説でも、殺伐とした社会があって、それを何とか平和な社会にする、というベクトルがあると思います。それの逆のベクトルを見事に描ききったというだけで、私などはとてもかなわない、と思ってしまいます(これほどオリジナリティがある小説を書けたらなあ、というのが素直な気持ちです)。

「意識」というものの本質に挑戦した作品だと思います。
まだまだわかっていないことが多い、私たちの意識。
一説には、「ホムンクルス」と呼ばれる、ニューラルネットワークの部分部分が、それぞれの欲求(食べたい、飲みたい、寝たい、逃げたい、それからひょっとしたら「死にたい」)をそれぞれにさながら会議のように主張し、その中で一番声の大きなホムンクルスの主張が人の意志を決めるという描像もあります。

私もこの描像を支持しているのですが、作者の伊藤さんはそのホムンクルスによる会議そのものが意識だと認識されているようです。

ただ、とある実験によれば、手を動かす、という意識よりも、手を動かせと命じる信号の方が早く発生しているらしいので、そういうことを考えると、「意識=会議」というより、「意識=会議の議事録」と認識した方がよいのではないかと。

このことについて詳しく書かれているのが、前野隆司さんの、「脳はなぜ「心」を作ったのか」です。
これについては、私が多くの言葉を費やすより、一読される方がよいと思います。
ここ一年、いろいろな本を読んできましたが、間違いなくベスト3には入ります。
(もうひとつは、「ハーモニー」、更にもうひとつは木下栄蔵氏の、「経済学はなぜ間違え続けるのか」ですが、これはまたの機会に書きたいと思います)


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脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
 伊藤計劃先生は『虐殺器官』を読みましたが
これも、かなり素晴らしい作品でした。

 ハーモニーは、まだ未読ですがいずれ読みたいと
思います。
 ハーモニーは百合姫でコミカライズもはじまります
ね。

 女性同士が仲良くしたり対峙したりするのは
私も好きです♪
 
 先生の趣味ですか?

 シンギュラリティ〜のリヴカさん、や天夢ちゃん、
もいい感じですよね♪
日向シオン
2010/11/18 00:35
日向シオンさん、こちらにもコメントありがとうございます。

>ハーモニーは百合姫でコミカライズもはじまりますね。

おお。そうなんですか。
情報ありがとうございます。
素晴らしい作品ですので、様々なメディアを通じて多くの人の目に触れるのはいいことですね。

>女性同士が仲良くしたり対峙したりするのは
>私も好きです♪
>先生の趣味ですか?

ですねw


>シンギュラリティ〜のリヴカさん、や天夢ちゃん、もいい感じですよね♪

ありがとうございます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
山口優
2010/11/23 21:10

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